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昨年の第155回臨時国会において、新事業創出促進法の一部改正する「中小企業挑戦支援法」が可決成立し、平成15年2月1日から実施されています。時限措置ではありますが、資本金が最低資本金を満たしていなくても会社を作れるようになりました。
中小企業挑戦支援法を利用した会社設立の受付が始まった2月3日には、関東経済局15件、近畿経済局3件、中国経済局2件、北海道、東北、四国、九州が各1件ずつの合計24件の申請がありました(経済産業省発表)。そのうち資本金1円の株式会社を設立したのは静岡県の企業家で、その他全国各地で、資本金500万円の株式会社や同5万円の有限会社などが申請を行ったようです。
「中小企業挑戦支援法」とは!?
最低資本金規制の特例の内容
 Q1法人が関連会社を作る場合この特例を利用して設立できますか?
 Q2最低資本金を満たさなくてもいいのは会社設立のときだけですか?
 Q3会社設立後5年以内に増資できず最低資本金をクリアできない場合は、どうなりますか?
最低資本金規制の特例の手続き
会社手続きにかかる費用
中小企業挑戦支援法とは

「中小企業挑戦支援法」とは、開業率(約4%)が廃業率(約6%)を下回る厳しい現状において、
創業や新事業などの新たな事業活動に挑戦する中小企業者等を支援することを目的としています。
その中で、新たに創業する場合、株式会社や有限会社についての最低資本金規制を適用しない特例が設けられました。

最低資本金規制とは!?
商法および有限会社法により、資本の額はそれぞれ次のように定められています。
・株式会社…1,000万円以上
・有限会社…300万円以上
例えば、株式会社を設立する場合、1,000万円以上の資本金を用意しなければならず、創業における障害の一つとなっていました。

最低資本金規制の特例の内容

最低資本金規制の特例の内容は、次のとおりです。

(1)設立が5年間は規制を免除

新たに創業する者について、最低資本金規制(株式会社:1,000万円以上、有限会社300万円以上)の適用を、会社設立から5年間は免除されます。
(2)「創業者」である
次の条件をすべて満たしておく必要があります。
(1)現在事業を営んでいない個人で、2ヶ月以内に新たに会社を設立し、その事業を開始できる具体的な事業計画があること。

(2)経済産業大臣に申請し、「創業者」であることの
  確認を受けていること。

  ・株式会社→確認株式会社と呼ばれる
  ・有限会社→確認有限会社と呼ばれる

創業者とは
最低資本金の特例は、新事業創出促進法第2条第2項第3号の「創業者」であることについて経済産業大臣の確認を受けた者が設立する、株式会社(確認株式会社とよびます。)および有限会社(確認有限会社とよびます。)について認められます。
 (1)で述べているとおり、創業者とは「事業を営んでいない個人であって、2ヶ月以内に新しい会社を設立して、その会社を通じて事業を開始する具体的な計画を有する者」です。
 事業を営んでいない個人の具体例としては給与所得者、専業主婦、学生、失業者、年金生活者、法人の代表権のない役員などがあげられます。 他方、個人事業主や、法人の代表権のある役員は、適用対象の「創業者」から除外されます。ただし、廃業又は代表権のある役員を辞任した場合には、事業を営んでいない個人に該当することになります。
(2)「創業者」である
次の条件をすべて満たしておく必要があります。
(1)払込取扱期間の払込保管証明を受ける義務が免除される。

(2)債権者保護などの観点から、会社情報や財産情報の開示(営業年度ごとの財務諸表の提出等)、配当制限などの義務を負わされる。

法人が関連会社を作る場合この特例を利用して設立できますか?

法人が関連会社を、設立する場合は適用できません。また特例の申請を行う時点で個人事業などを営んでいて、その事業を営んだまま株式会社や有限会社を設立する場合もダメです。個人事業主や法人代表権のある役員は「創業者」にはなれません。あくまでも「事業を営んでいない個人」が対象で、例えばサラリーマンや主婦、学生などが創業する場合に利用できます。
最低資本金を満たさなくてもいいのは会社設立のときだけですか?
株式会社であれば1,000万円以上の、有限会社であれば300万円以上の資本金等がなくても会社を作ることが出来ます。また設立後5年間は最低資本金を満たしていなくてもよいことになります。
会社設立後5年以内に増資できず最低資本金をクリアできない場合は、どうなりますか?
通常の株式会社や有限会社になることはできず解散となります。というのは、定款に「設立5年を経ても最低資本金に達する増資ができないときは、会社を解散する」旨を記載しなければならないからです。
  ただし、次のような組織変更は可能です。

・最低資本金のない合名会社または合資会社への組織変更

一般には、株式会社・有限会社は、合名会社・合資会社に組織を変更することができません。
 しかし、確認株式会社・確認有限会社(経済産業大臣に申請し「創業者」であることの確認をうけていることをこのように呼びます。)は、株主総会または社員総会の特別決議等の等の手続きにより、合名会社および合資会社に組織を変更することが出来ます。

・株式会社で、有限会社の最低資本金である300万円以上の純資産がある場合、株主総会等の手続きを経て有限会社への組織変更

株式会社が有限会社に組織変更する場合、通常であれば株主総会の特別の決議(株主総会の過半数かつ総株主の決議権の3分の2以上に当たる多数決)が必要です。
しかし、確認株式会社は、成立の日から5年以内に、最低資本金額に達するまで増資できない場合に、円滑に事業を継続するため、株主総会の特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上に当たる多数決)により、有限会社に組織変更することができます。

最低資本金規制特例の手続きの概要

発起人(有限会社は社員)を募り、会社の目的、商号など基本事項を洗い出します。

本店予定地を管轄する法務局で類似商号を調べます。
発起設立の場合は、基本事項の決定、定款の作成、取締役・監査役の選任などの際に発起人会を開催します。
確認申請書には、公証人の認証を受けた定款の写しを添付する必要があります。確認申請の前に、定款を作成し、公証人の認証を受けて下さい。確認申請を行う創業者は、発起人又は社員として、定款に署名しなければなりません。
 また定款には新事業創出促進法第10条の18の規定による解散事由を記載しなければなりません。
確認申請書に以下の書類を添付して、会社の本店所在地を管轄する経済産業局に提出して下さい。 
・定款(公証人の認証済みのもの)の写し
・創業者であることの誓約書
・事業を営んでいない個人であることを証明する書類
確認日から2ヶ月以内に、取締役選任等の商法・有限会社法上の設立手続を終え、通常の設立登記申請書に確認書を添付して、本店所在地を管轄する法務局に提出して下さい。
設立登記後直ちに、経済産業局への届出が必要です。提出された商号・本店所在地等を記載した書面は、経済産業局において公衆縦覧に供されます。
 
○配当制限の特則
確認株式会社・確認有限会社(経済産業大臣に申請し「創業者」であることの確認を受けていることをこのように呼びます。)において、最低資本金規制を設立から5年間免除することの代償措置として、会社債権者保護の観点から、通常の会社であれば、営業年度末の純資産額から「資本の額」等を控除して、配当可能利益を算出するところ、「資本の額」に代えて最低資本金額を控除することとしています。
 同様に、中間配当、自己株式取得等の財源規制についても、その限度額の算出に際しては、「資本の額」に代えて最低資本金額を控除するものとしています。
 さらに会社債権者保護の観点から、会社分割・減資に際して、その株主・社員に対して金銭・株式その他の財産を流出されることを禁止しています。
○計算書類の提出・貸借対照表の公衆縦覧

確認株式会社・確認有限会社は、最低資本金規制を設立してから5年間免除することの代償措置として、会社債権者保護の観点から、毎営業年度経過3ヶ月以内に、その毎営業年度の貸借対照表2通、損益計算書、利益処分案各1通を、会社の本店所在地を管轄する経済産業局に提出しなければなりません。
 提出された貸借対照表は、受理した経済産業局において、公衆の縦覧に供されます。

○組織変更に関する特例
1.合名会社・合資会社への組織変更
 一般には、株式会社・有限会社は、合名会社・合資会社に組織変更することができません。しかし、確認株式会社 ・確認有限会社は、株主総会または社員総会の特別決議等の手続きにより、合名会社及び合資会社に組織を変更することができます。
2.確認株式会社の有限会社への組織変更
株式会社が有限会社に組織変更する場合、通常であれば株主総会の特別の決議(総株主の過半数かつ総株主の議決権の3分の2以上に当たる多数決)が必要です。しかし、確認株式会社は、成立の日から5年以内に、最低資本金額に達するまで増資できない場合に、円滑に事業を維持するため、株主総会の特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上に当たる多数決)により、有限会社に組織変更することができます。
○資本を最低資本金以上とした場合の登記義務
確認株式会社及び確認有限会社が資本を最低資本金以上とした場合、法務局に、発行済株式数、資本の額について、変更の登記申請を行う必要があります。その変更の登記申請は、「会社が最低資本金以上とする増資又は組織変更の登記の申請をせず、成立から5年を経過した場合、及び確認が取り消された場合に解散する。」旨の記載の抹消の登記申請と、同時にする必要があります。
○最低資本金規制の特例の終了の届出
確認株式会社及び確認有限会社が、資本を最低資本金以上に増資し、合名会社等に組織変更し、又は合併、破産その他の事由により解散することにより、最低資本金規制の特例が終了する場合には、施行規則様式第7号による届出書を、会社の本店所在地を管轄する経済産業局に提出する必要があります。(成立から5年の経過により解散した場合及び確認の取消しにより解散した場合は不要です。)
会社設立手続きにかかる費用

この最低資本金規制の特例を利用すれば、資本金が1円でも会社を設立することができますが、設立手続きには諸費用がかかります。注意してください。

<司法書士等に依頼せず自ら会社設立手続きをする場合>

定款の認証料(5万円)
定款に貼付する印紙代(4万円)
登録免許税(株式会社15万円、有限会社6万円)
その他諸費用
よって、株式会社の設立であれば約30万円、有限会社の設立であれば約20万円の費用が必要になります。
 
 また、会社設立後は、利益の有無にかかわらず、法人住民税均等割を、毎年7万円負担することになります。

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